収益性を判断する指標「イールドギャップ」の目安って?

不動産投資における “イールドギャップ”は、物件の収益性を判断する指標の一つ。
利回りと同様に投資物件を選ぶ際に役立ちますので、イールドギャップを参考にしながら物件選びをしている方もいらっしゃることでしょう。
不動産投資をお考えの方は、イールドギャップを知っていて損はありません。
今回はイールドギャップを知らない方向けに、イールドギャップが何を表す指標なのかをご紹介していきます。
不動産投資のイールドギャップとは
イールドギャップ(yield gap)を直訳すると「yield=利回り」、「gap=相違」となります。
簡単に言いますと、イールドギャップとは投資物件の利回りと借入金利の差のことで、その差(イールドギャップ)が投資物件の収益性を判断する指標となります。
収益性物件の収益性を知るには「利回り」を参考にするのですが、いくら利回りが高くても借入金利が高ければ毎月のローン返済は多くなり、収益性が高いとは言えなくなってしまいます。
例えば利回りが10%の投資物件で借入金利が4%の場合、利回りと借入金利との差(イールドギャップ)は6%ですが、利回りが8%の投資物件で借入金利が1%の場合のイールドギャップは7%となるのです。
このように「利回りが高いから収益性が高い」とは限りませんので、物件の収益性を見るにはイールドギャップも重視すべきでしょう。
イールドギャップの計算方法
前述した通り、イールドギャップは投資物件の利回りと借入金利の差のことです。
したがって、イールドギャップ=実質利回り(%)-借入金利(%)の計算式で簡単に求めることができます。
例えば、実質利回りが10%で借入金利が3%の場合、イールドギャップは10%-3%=7%となります。
しかし、この計算式では融資期間が考慮されていないことが問題です。
融資期間によって返済額は異なりますから、きちんと融資期間の概念を取り入れて計算をしなければなりません。
融資期間の概念を取り入れたイールドギャップの計算式は以下の通りです。
イールドギャップ(%) = 実質利回り(%) - K(%)
この「K」はローン定数と呼ばれるもので、以下のように融資期間によって値が異なります。
K(%)=年間返済額 (利息+元本) ÷ 借入残高総額
実質利回り(%)-借入金利(%)でも大まかなイールドギャップは分かりますが、なるべく具体的な収益性を出すために融資期間も考慮することがポイントです。
イールドギャップを実質利回りで計算する理由
イールドギャップを計算する時の注意点は、実質利回りで計算することです。
イールドギャップと同じように物件の収益性を判断する指標のうちの一つである“利回り”には「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
表面利回りは(年間家賃収入÷物件価格)×100で求めますが、実質利回りは{(年間家賃収入−年間経費)÷(物件購入にかかった金額)}×100で求めるため、より具体的な利回りを出すには、経費や物件購入にかかる金額を考慮した実質利回りの方が適しているのです。
例えば、物件価格が9,000万円の収益物件で年間家賃収入が900万円、年間経費が200万円、物件購入にかかる諸費用が660万円の場合、表面利回りと実質利回りは以下のようになります。
表面利回り→(900万円÷9,000万円)×100=10%
実質利回り→{(900万円−200万円)÷(9,000万円+600万円)}×100=7%(小数点以下切り捨て)
上記では表面利回りと実質利回りで、およそ3%も差が生じることが分かります。
イールドギャップの目安は?
新築物件の場合、イールドギャップは5%ほどが理想です。
一方、中古物件の場合は築年数によって利回りが変わりますので目安というものはないでしょう。
新築物件や中古物件、都心や地方などでも利回りは異なるため、イールドギャップの目安は一概には言えません。
空室リスクや予期せぬ出費などが生じることもありますので、余裕をもって賃貸経営できるようなイールドギャップがベストでしょう。
融資を利用するのであれば、物件の利回りが下がっても金利が同じだけ下がれば収益は変わりません。そのため、低金利で融資を受けられるなら、購入対象となる物件も増えていきます。
イールドギャップの注意点

金融機関から融資を受けて不動産投資する方にとって、イールドギャップは収益性を測る一つの指標となります。
イールドギャップが高くなるほどキャッシュフローはプラスに働きますが、それはあくまでも計算上の話です。
どれだけイールドギャップが良くても、物件の状態や立地が悪いなど入居者が決まりにくい物件であれば、不動産投資で失敗する可能性は高いのです。
不動産投資においては物件の価格やキャッシュフロー、立地、築年数、設備、間取りなど…様々な観点から投資物件を選ばなければなりません。
物件選びではイールドギャップにとらわれすぎないようにしましょう。








