公開日:2021/02/27

不動産の投資判断指標「NPV(正味現在価値)」とは?

NPV(正味現在価値)は、投資をするか判断するための指標です。
様々な投資で用いられている指標で、もちろん不動産投資においてもNPVは役立ちます。
そこで今回は、不動産投資における投資判断手法「NPV」についてご説明いたします。

NPVとは?

NPVは「Net Present Value」の頭文字をとった略称で、日本語で「正味現在価値」を意味する投資判断指標です。その投資でどれほど利益を得られるのかを示すため、投資を決定するために用いられます。

投資対象である事業やプロジェクトなどが将来生み出すキャッシュフローの総和を、現在の価値に割り引いた数値が、NPVとなります。
NPVが0の場合は投資しても利益は出ないとされ、NPVがプラスの場合は投資価値があり、その数値が大きいほど採算性が高くなります。

不動産投資における投資判断指標「NPV」とは?

不動産投資におけるNPVは、投資する不動産が将来生み出す収益を、現在の価値に換算したものです。
つまり、不動産が将来生み出すキャッシュフローを現在の価値に割戻して、初期投資額を差し引いたものがNPVとなります。

なぜ不動産投資でNPVが重要なのか

不動産投資においてNPVが重要視されている理由は、NPVが「DCF法(割引キャッシュフロー法)」の基礎になっている考え方だからです。
DCF法は不動産の収益価格を算出する方法のひとつで、純収益と復帰価格(最終的な売却価格)をそれぞれの発生時期に応じて現在価値に換算して総額を出す方法です。

収益価格を算出する別の方法に直接還元法というものがあるのですが、DCF法の方が適正な価値を算出しやすい特徴があります。

NPVの計算方法

NPVを求める際にはPVを使用しますので、まずはPVの求め方をご説明します。

PVの求め方

PV(現在価値) = 将来受け取る金額 / (1 + 利率・割引率)^n年後

PVは将来獲得するキャッシュフローを現在価値に換算したものです。
例えば、金融機関から金利5パーセントで融資を受けた場合、1年後に得られる100万円のPVは100万円 / (1 + 0.05)^1=952,381円となります。
つまり、1年後に得られる100万円は今の価値にすると952,381円ということになります。

NPV の求め方

NPV(正味現在価値) = PV(現在価値) - 投資額

NPVは、不動産が将来生み出すキャッシュフローの現在価値から不動産取得税や仲介手数料、保険料などの資産を取得するためにかかった金額を差し引いて求めます。

前述した通り、NPVがプラスの場合は投資価値があり、その数値が大きいほど採算性が高くなります。
したがって、以下のような投資案件があった場合にはNPVの数値が大きいものを選ぶことになります。
①PV2,000万円、投資額2,500万円
NPVはマイナス500万円になるため、投資価値はないと判断できます
②PV2,000万円、投資額1,800万円
NPVは200万円になるため、投資価値があると判断できます
③ PV3,000万円、投資額2,000万円
NPVは1,000万円で投資価値があると判断できます。①~③のうち最も数値が大きいため、③を選んで投資することになります。

NPVにおける不動産投資のメリット

ほかの収益方法よりも精度が高い

NPVは現在価値を基準とした指標なため、時間的なリスクやリターンを反映できて現実的な数値を求めやすいメリットがあります。そのため、他の収益方法よりも正確に投資の価値を分析することができます。

投資状況の反映が可能

NPVには不動産投資をするうえでの収支を「割引率」に設定できるため、投資状況を反映することが可能です。家賃収入などによるプラス、空室リスクなどによるマイナスを組み込むことで、より具体的な投資判断指標となるのです。
(※割引率は現実に即したもので計算します。)

NPVにおける不動産投資のデメリット

投資判断基準が単純化される

NPVは他の収益方法よりも簡単に算出できるため、投資判断の基準が単純化されてしまう可能性があります。簡単な計算式で算出されていますので、より現実的に投資判断するのであれば、現実的な数値を用いて計算しなければならないのです。
NPVはあくまでも投資判断指標のひとつとして参考にするようにしましょう。

継続的な目標管理には向いていない

NPVは「不動産に投資する価値があるか」を判断する指標で、継続的な目標管理には向いていません。不動産投資をした後には、開始時に遡ってNPVを計算することは手間なので徐々に計算しなくなる傾向にあります。また、途中で事業内容を変えてもNPVには反映できないため、継続的な目標管理には向いていないのです。

NPVにおける不動産投資の注意点

不動産の投資価値を簡単に示してくれるNPVは、不動産投資家はぜひとも知っておきたい投資判断指標です。

理論的にはNPVがプラスになるほど投資価値があるとされていますが、あくまでも投資判断指標のため参考程度にしましょう。
NPVが0もしくはマイナスの場合でも有利なケースはありますし、逆にNPVがプラスでも将来的に赤字経営に陥るケースもあります。

また、NPVを算出する際に使用する資本コストは一定な点にも注意が必要です。
株式投資や不動産投資などの投資においては、将来発生する資本コストを把握することは非常に困難です。将来の資本構成を完全に資本コストへ反映することは不可能ですので、「資本コストが常に一定である」という制約があることを覚えておきましょう。

まとめ

今回は不動産の投資判断指標、「NPV」についてご説明しました。
不動産投資をする際にはNPVをはじめとして、NOIやIRRなど様々な投資指標があります。
それぞれが示す内容は異なりますので、どれか一つの指標だけを参考にするのではなく、総合的にみて判断するようにしましょう。
また、投資指標にとらわれず、投資物件の良し悪しを見極めて投資を検討することも非常に重要です。

「どの物件に投資したら良いか分からない」、「不動産に投資する価値があるか不安」などのお悩みを抱えている方は、一人で悩むのではなく信頼できる不動産会社を見つけて相談してみてくださいね。

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