公開日:2019/07/03 最終更新日:2019/09/11

サブリース契約は問題だらけ?仕組みを知ってトラブル回避!

サブリース契約に関する問題が多発しているのは、サブリースの仕組みを十分に理解していないからかもしれません。そこで今回は、サブリースのトラブル事例から、サブリース契約の仕組みやメリット・デメリットをご説明していきます。

不動産投資でサブリースを使うか迷っている方は、まずこちらをご覧ください。

サブリースとは

サブリースとは、不動産会社(サブリース会社)が建物の所有者からアパートやマンションなどの賃貸住宅を一括で借り上げ、入居者に転貸することを言います。この仕組みをサブリース契約だと勘違いしている方が多いですが、サブリース契約は不動産会社(サブリース会社)と入居者が交わす契約のことを指し、建物の所有者と不動産会社が結ぶ契約をマスターリース契約と言います。

サブリース会社はオーナーから借り上げた賃貸住宅を入居者へ貸出し、オーナーに毎月賃料を支払います。サブリース会社がオーナーに支払う賃料は実際に入居者が支払う家賃よりも低いですが、空室があっても安定した家賃保証を受け取ることができます。

また、入居者と契約を交わすのはオーナーではなくサブリース会社なため、入退去時の手続きや管理などをする必要がないのも魅力です。

サブリースの種類

サブリース会社がオーナーに支払う賃料の種類には、「賃料固定型」と「実績賃料連動型」の2つがあります。

賃料固定型はサブリース会社が入居者から得る賃料が変動してもオーナーに支払う賃料が固定となっていて、オーナーは毎月安定した収入を得ることができます。

それとは反対に、実績賃料連動型はサブリース会社が入居者から得る賃料がオーナーに支払う賃料と連動していて、オーナーは経済情勢が良ければ収入増が見込めます。

サブリースのメリット

家賃滞納がなく、安定した収入が得られる

オーナーは賃金をサブリース会社から受け取るため、家賃滞納の心配なく安定した収入を得ることができます。通常は家賃滞納が発生するとその分の家賃収入がなくなり、入居者への対応も自分でしなくてはいけないため労力を費やしますが、サブリース契約をしていると家賃滞納の対応はサブリース会社に任せられます。家賃滞納はトラブルに発展しやすいため、プロに任せておいた方が安心です。

空室リスクが少ない

サブリース契約をすると、サブリース会社から毎月一定の賃金が支払われます。サブリース契約をせずに自分で賃貸経営をした場合、空室が発生すると家賃収入に変動が出てきますが、サブリース契約ですと空室リスクを受けず、安定した収入を得ることが可能なのです。オーナーのほとんどは空室に悩みますが、サブリース契約を交わすと空室リスクを避けることができます。

入居者への対応が不要

入居者はサブリース会社と契約を結んでいますので、入退去や管理、トラブル等に関しての対応は全てサブリース会社が行います。長く入居してもらうために入居者への対応は気を使う必要がありますが、そういった対応もオーナーに代わりしっかりこなしてくれます。
たとえトラブルに発展して裁判沙汰になったとしても、サブリース会社が訴訟の当事者となり、オーナーが入居者トラブルに巻き込まれることはありません。

確定申告が楽

オーナーはサブリース会社から毎月一定の賃金を受け取るため、通常よりも確定申告が格段に楽になります。区分投資ならまだしも、一棟投資は入居者の数が多く建物の規模も大きいため、確定申告はオーナーにかなりの負担がかかります。副業で不動産投資をしている方は、確定申告を期限内(毎年2月16日~3月15日)に行わなくてはいけないため、時間に追われることにもなります。そういった点から通常の賃貸経営では、確定申告を税理士に依頼することが多いのですが、サブリース契約の場合は確定申告が簡単なので、オーナー自身で行う事もできます。

サブリースのデメリット

通常よりも家賃収入が減収する

サブリース会社が建物の管理や入居者対応を行ってくれますので、オーナーに支払う賃金はその分の費用が差し引かれています。具体的に言うと管理料や保証料などといった名目で、家賃の10~20%程を取られることが多いようです。
サブリース契約せずに自分で賃貸経営した場合は家賃の100%を受け取れますので、サブリース会社を間に挟むと通常よりも受け取れる家賃収入が減ってしまいます。しかし、自分で賃貸経営をして空室が出るとその分家賃収入はマイナスになってしまいますので、通常より家賃収入が減収すると言っても毎月安定した収入が得られるのはメリットとも言えるでしょう。

敷金・礼金・更新料が受け取れない

敷金・礼金・更新料は、建物の管理や入居者対応のお礼として賃貸人に支払われるものなので、入居者が直接賃貸借契約を結ぶサブリース会社のものになります。したがって、不動産のオーナーがサブリース会社から受け取れるのは毎月の家賃収入のみとなります。
戸数が多いほど敷金・礼金・更新料の金額は高くなり、サブリース契約をするとそれらを丸々手放すことになりますので、減収額は大きくなります。

家賃保証の金額が下がる可能性も

サブリース契約の更新は通常2年ほどで行われますが、その際に家賃保証金額の見直しをするケースがほとんどです。「家賃保証30年」といった長期間保証を謳うサブリース会社でも、30年間同額の家賃が保証されるわけではなく見直しにより保証金額が下がる可能性があります。

建物の老朽化や景気の変動によって家賃保証金額は次第に下がっていくのが普通です。

サブリース会社の倒産

サブリース会社が経営不振で倒産に陥った場合はオーナーが入居者との賃貸借契約を引き継ぎますが、突然の契約引き継ぎに納得しない入居者がいたり、サブリース会社から敷金を返してもらえなかったりと問題が起こることもあります。
問題がクリアされても、サブリース会社の倒産後はオーナー自身が賃貸経営をしなくてはなりませんので、今までは必要のなかった賃貸経営に対する知識や時間が必要になってきます。

サブリースのトラブル事例

不動産売買などは宅建業法の35条で定められている通り重要事項の説明義務がありますが、サブリース契約にはこれが当てはまらず、重要事項の説明義務はありません。そのためサブリース契約をめぐるトラブルが相次ぎ、国土交通省がサブリース契約の締結に関して注意喚起を行う事態にまで発展しています。

サブリース会社は契約が欲しいがために聞こえの良い事ばかりを説明することがありますので、後々トラブルに発展しないためにサブリースでよくあるトラブル事例を確認しておくことが大切です。

賃料変更に関するトラブル事例

“土地を所有しているHさんは不動産投資を始めようと考えましたが、マンションを建てるには立地が悪いのが悩みどころでした。不動産投資に関して調べていくうち、Hさんは空室が生じても一定の賃料を支払ってくれる「サブリース契約」を知り、早速サブリース契約を使って一棟マンション投資を始めました。不動産投資を始めた頃には毎月契約時に定められた賃料が受け取れていましたが、更新のたびに賃料は大きく減額されていくことになります。結局Hさんは6年間で当初の賃料の20%を減額され、ローン返済も滞る状況に陥ったのです。”

サブリース契約のトラブルで最も多いのが、賃料変更をめぐってのトラブルです。
サブリース契約のほとんどは定期的に賃料の見直しを行いますが、契約時には「家賃保証の見直しはあるが、そこまで減収しない」といったような説明をされるケースもあり、悪質な場合は契約書面に記載しているだけで何の説明もない、といったこともあるようです。
賃料変更のリスクを知らずに契約を結んでしまうと、賃料見直し時にトラブルが生じます。

契約期間中に契約解除となるトラブル事例

“会社を定年退職したYさんは、サブリース会社からの営業を受け、退職金を不動産投資に充てて資産運用を始めました。Yさんに不動産に関する知識はありませんでしたが、サブリース会社が「30年一括借り上げ」と言っていたので安心して不動産投資に乗り出せたのです。しかし不動産投資を始めて10年後、サブリース会社はYさんに契約を解除すると言い渡しました。Yさんが契約書を確認したところ、確かにサブリース会社は契約期間中に解約ができると記載されており、Yさんは泣く泣く解約を受け入れました。それから自分で賃貸経営を始めたYさんですが、賃貸経営はうまくいかず、結局物件を売却することになったそうです。”

「30年一括借り上げ」と長期の契約を謳っているものの、契約書には「サブリース会社は契約期間中であっても解約する事ができる」などと記載されていた、という事例は多くあります。そのような場合に一方的に契約を解除されてしまっても、泣き寝入りするしかありません。契約解除のトラブルを避けるためには、契約書を1文も見落とさず確認することが大切です。

まとめ

不動産投資に慣れていない方や、投資に不安を抱える方にサブリース契約は魅力的ですが、国土交通省が注意喚起しているほどのトラブルが相次いでいることを忘れてはいけません。サブリース契約で失敗しないためにも、契約書面の契約期間、契約賃料、更新時期、免責期間などを必ず確認しましょう。それだけでなく、サブリース会社の概要や評判を調べることも欠かせません。
しかし、注意してサブリース契約をしてもトラブルが生じることもあります。そういった時には一人で抱え込むのではなく、国土交通省や消費者庁などの相談窓口に相談するようにしましょう。

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