公開日:2019/08/28 最終更新日:2021/03/16

自主管理大家は大変?自主管理の内容

不動産投資をするオーナーは物件の管理を管理会社へ委託しているケースがほとんどですが、自主管理をして支出を抑えている方もいらっしゃいます。

今回は、なるべくコストを削減したいとお考えの大家さん向けに自主管理のメリットやデメリットをご紹介していきます。

自主管理と委託管理の違い

賃貸経営では、空室を出さないためにも建物の管理は欠かせません。建物は時間が経つにつれ劣化しますので、日々の管理によって建物の資産価値を向上させ、入居者が安心して住める状態を保たなければならないのです。

主な管理作業

  • 入居者募集
  • 家賃の集金と管理
  • 契約更新
  • 廊下やゴミ捨て場など共用部分の清掃
  • 共用設備のメンテナンス
  • クレーム対応
  • 退去時の清掃
  • など

委託管理は管理会社に家賃の数パーセントを支払って管理してもらう方法で、自主管理は大家が自分で建物を管理する方法です。

管理会社は専門的な知識を持った担当者が全て対応してくれるため、自主管理よりも委託管理を選ぶオーナーの方が多くなっています。

自主管理の場合、所有する物件の規模が大きいほど管理が大変になりますので、自分だけで物件の管理を全て行えるのかをよく考えなければなりません。

自主管理する場合の主な業務内容

入居者募集

委託管理の場合は管理会社が入居者募集を行ってくれますが、自主管理の場合は大家自ら入居者募集をしなくてはなりません。
自分で作ったホームページに物件情報を掲載したりチラシを配ったりする方法もありますが、それでは空室はなかなか埋まりません。
自主管理で入居者募集する場合は、不動産会社に依頼した方が良いでしょう。不動産会社に任せると仲介手数料はかかりますが、自分で入居者募集をするよりもスムーズに空室が埋まりますし、内見を任せられるケースもあります。

消防点検

マンションなどの集合住宅では、半年に1回の機器点検、1年に1回の総合点検をしなくてはなりません。これは消防法で義務付けられていて、違反すると罰則が科されます。
消防点検は有資格者が行わなくてはなりませんので、点検業者に依頼するのが一般的です。
点検結果の報告も義務付けられていますので、点検報告書は忘れずに消防署へ提出しましょう。

工事および設備業者への連絡

大家は入居者に対して「物件を平穏に使用収益できる状態にして提供する義務」を負うため、建物や設備に欠陥がある場合にはきちんと修繕する必要があります。
建物全体の修繕や小規模な修繕、退去後の清掃、設備の修繕などを適宜行う必要がありますので、業者を手配して工事してもらう必要があります。
そのため自主管理では、いつ、どのような工事が必要になるのかを把握しておくことが大切です。

家賃の集金と管理

家賃の集金と管理も大家の仕事となります。
毎月きちんと家賃が納められているか確認します。それだけでなく、税金や修繕費などの支出を計算して、手元に残る金額を把握しておくことも重要です。

家賃滞納対応

自主管理の場合、家賃滞納された際には大家自ら対応しなければなりません。家賃は賃貸経営をするうえで必要不可欠な収入ですので、家賃滞納者には然るべき対応をとる必要があります。
ただし、家賃催促がきっかけで入居者とのトラブルに発展するケースもありますので、事前に適切な対応方法を学んでおくことが大切です。
家賃滞納への対応については以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。

退去の立会い、清掃

退去時には部屋がどのような状態になっているかを確認するために、大家の立会いが必要となります。トラブルに発展しないよう、基本的には原状回復ガイドラインに従って原状回復費用を算出します。
また、退去後には新たな入居者を迎え入れるために清掃が必要となるため、清掃業者の手配をしなくてはなりません。賃貸物件のハウスクリーニングの内容や相場については、以下の記事を参考にしてください。

内見時の立ち合い

入居者募集を依頼している不動産会社が内見時に立会いをしてくれる場合は立会いの必要はありませんが、内見時の立会いをしてくれない契約内容になっている場合や大家自身で入居者募集をしている場合には、内見時の立会いが必要となります。
専業大家であれば立会いやすいですが、副業で賃貸経営をしている場合は難しいでしょう。

鍵の交換など

賃貸物件では防犯上のため、入居者が決まった際には鍵交換をします。
鍵の交換費用は入居者負担となりますが、鍵交換の手配は大家がしなくてはなりませんので、忘れずに業者へ依頼するようにしましょう。

契約更新

大家によって契約期間は異なりますが、賃貸借契約は2年ごとに更新するのが一般的です。
そのため、更新時期が近づいたら入居者に更新の意思確認をして、手続きをする必要があります。
契約更新する場合には賃貸借契約の更新料のほか、必要に応じて火災保険料や保証料も徴収します。

共用設備のメンテナンス

インターホンやエレベーターなどの共用設備を定期的にメンテナンスすることも自主管理をする大家の仕事のひとつです。大家自身でメンテナンスすることはできませんので、業者を手配してメンテナンスしてもらう必要があります。
また、エントランスの電灯などが切れている場合は大家自身で交換をします。

敷金精算業務

敷金から原状回復費用や滞納された家賃などを差し引いて残った金額を、賃借人に返還しなくてはなりません。一方で、敷金では原状回復費用や滞納家賃などが賄えない場合は、不足分を賃借人に請求することになります。
敷金返還を巡ってトラブルに発展するケースもありますので、精算時には内訳を記載した書類を賃借人に手渡して、しっかりと説明すると安心です。

クレーム対応

建物や設備に対するクレームや異臭や騒音などに対するクレームにも、大家がすべて対応する必要があります。
過度な要求をしてくる入居者にも自分で対応しなければならず、最終決定権者として入居者の要求と対峙することとなります。どんなに理不尽なクレームに対しても何らかの対応はしないといけないため、精神的に負担がかかるでしょう。

自主管理のメリット

コストを削減できる

建物の管理を全て自分で行うのは大変ではありますが、委託管理する事を考えればその費用を削減できます。
管理会社へ管理を委託する時に支払う管理費は、家賃の3~7%が相場と言われています。
例えば家賃8万円で10部屋を貸し出していて管理費が家賃の5%の場合、80万円×5%=4万円が毎月かかることになります。

年間で考えると48万円と大きな金額になりますので、自主管理をすればかなり節約できると言えるでしょう。

また、大規模修繕は業者へ依頼しなくてはいけない場合が多いですが、定期メンテナンスや小規模修繕を自分で行うと大幅にコストを削減することが出来ます。

ノウハウを得られる

たとえ小規模な物件でも管理内容は多岐にわたり、初めて経験することばかりです。

自主管理を始めて間もない頃は知識や経験がないため苦労しますが、管理業務をこなしていくと賃貸経営に関する知識や経験がどんどん身についていきます。

1度自主管理を経験すれば賃貸経営をするうえでの改善点などが見えてきますし、将来的に委託管理をする事になるとしても、その際に優良な管理会社かを見極める目を養うことができます。

入居者とコミュニケーションがとれる

委託管理している場合は入居者と接する機会が少ないのですが、自主管理は建物内の清掃やメンテナンス、家賃集金などの管理作業を通じて入居者とコミュニケーションをとることができます。

大家と入居者の関係性が良くなれば長い間入居してくれる可能性が高まりますし、入居者も大家もお互いの人となりが分かり安心感が生まれます。

物件の状況を把握しやすい

自主管理では物件に頻繫に出入りするため、建物や設備の劣化状況、入退去状況などを把握しやすいメリットがあります。物件の状況を把握していれば管理もしやすくなり、効率的に賃貸経営を進めることができるでしょう。

自主管理のデメリット

専門的な知識が必要

共用部分の清掃などの管理作業を除くと、ほとんどの作業に専門的な知識が必要になります。
例えば設備のメンテナンスにどれほど費用を使うか、どの業者に依頼すべきか、入居者をどう集めればいいのか等、分からないことだらけかと思います。

最初のうちはインターネット等で調べながら業務を進めていく事が多いのですが、それでも失敗するケースは多々あります。

客付けが難航する事もあれば、家賃滞納に手を焼く事もあり、賃貸経営がうまくいかなくなる可能性もあるのです。管理に関してあまり知識のない方は、いきなり自主管理に踏み切るのではなく、事前にある程度の専門知識を身に着けておくべきでしょう。

管理作業に時間をとられる

小規模な建物でも管理作業は非常に多いうえ、専門的な知識を必要とします。

事務的な管理作業に慣れたとしても、自主管理ではクレーム対応といったイレギュラーにもすぐ対応しなければならない事も多くあります。

自主管理では、何かあれば24時間365日対応しなければならないのです。また、作業量を考えると、副業で不動産投資するオーナー様の自主管理は厳しいものがあるでしょう。

精神的な負担がかかる

近隣トラブルやクレーム対応をしなくてはいけないため、精神的な負担がかかる事になります。

アパートやマンションなどの集合住宅では複数の世帯が1つ屋根の下で生活しますので、トラブルが起きるのはやむを得ませんが、クレーム対応する大家の負担は大きいものです。

トラブルにすぐ対応する必要がある

自主管理の場合はすべてのトラブルに大家が対応する必要があります。なおかつ、トラブルにはすぐ対応する必要があるため、自分の時間を犠牲にしなければならないこともあります。

スケールメリットがない

自主管理をしている大家の所有する物件はスケールが小さい傾向にあります。そのため、数多くの物件を扱っている管理会社と比較したら、不動産会社(賃貸仲介業者)にとっても工事業者にとっても取引額が小さいため、優先度が低くなりがちです。

自主管理でよく起きるトラブルと対策方法

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トイレの故障

よくあるトラブルとして、水漏れや詰まりなどトイレの故障が挙げられます。トイレが故障したままでは生活に支障がでるため、迅速な対応が求められます。
トイレが故障した旨を聞いたら、大家はすぐに業者を手配する必要があります。もし対応が遅れたらクレームになってしまうため、入居者からの連絡にはいつでも応答できるようにしておかなければなりません。しかし、それは現実的に難しい部分がありますので、管理会社を活用するのがおすすめです。

家賃未払い

家賃を自動送金にしてもらえば、振り込み忘れによる家賃未払いを防ぐことができます。
また、家賃の支払能力がなかったり、支払う気がない入居者に対しては、「入居者審査を厳しくする」、「滞納保証をつける」といった対策をとるのが有効です。

勝手に2人入居

自主管理では物件に出入りすることが多いため、入居者と顔を合わせる機会が多くなるでしょう。そこで発覚しやすいのが、勝手に2人入居をしているというケースです。
2人入居不可な契約になっている場合には契約書の内容に従って違約金を徴収したり、退去してもらったりすることになります。
事前にできる対策としては、入居前に2人入居は禁止なことと、罰則についてを大家がしっかりと伝えておくことが挙げられます。

ペット

ペット不可物件でペットを飼っている場合、鳴き声や臭いなどでペットの飼育が発覚することがあります。ペットを飼っている疑惑が生じた場合、まずは入居者にペットを飼育しているか確認してください。飼育していたら、ペットを手放すのが無理な場合は退去してもらうように伝えます。

自主管理する上で考えるべきこと

客付けの方法

賃貸経営は入居者がいなければ成り立ちませんから、客付けは非常に重要です。
前述した通り、自主管理では客付の方法に限界があり、なかなか空室が埋まらない傾向にあります。空室期間が続くほど収益が小さくなってしまいますので、なるべく早く空室を埋めることが大切です。
そのために、「客付けは不動産会社に任せる」など、早く空室が埋まるような客付けの方法を考えてみてください。

管理会社への一部委託

自主管理の内容は多岐にわたるため、すべてを一人で管理するのは難しいこともあります。そういった場合には、管理会社への一部委託を検討しても良いでしょう。すべての管理を任せるのではなく、自分が対応できない管理を部分的に任せることで賃貸経営に余裕が生まれますし、すべての管理を任せるよりも管理費を削減できます。
ただし、管理会社によっては部分管理を行っていない会社もありますので、まずは部分管理を認めている管理会社を探してみてくださいね

まとめ

管理会社へ支払う管理料が抑えられるメリットがある自主管理ですが、実際に自分で全てを管理する大家は極めて少ない状況にあります。

上記でご説明したように、物件の管理はやる事が多く、不動産投資にそこまで時間を割ける方はいらっしゃらないのです。

「賃貸経営を楽しみたい」と考える大家は自主管理を選択してもそこまで苦にならないでしょうが、投資という観点からすると自主管理は魅力があるものではないでしょう。

また、入居者募集や入居者のクレーム対応はレスポンスも重要となりますので、副業として賃貸経営をする大家には自主管理は難しいものがあります。

いつでも対応できる体制が必要なので、自主管理するのであれば副業ではなく専業大家になるべきでしょう。

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