タワーマンションで相続税は節税できる?できない?

相続税対策をお考えの方は「タワーマンションの節税効果は大きい」と一度は耳にしたことがあるかと思います。
けれど、税制が改正された今も同じような節税効果はあるのでしょうか?
今回は、タワーマンションを活用した相続税対策についてご説明していきます。
不動産が相続税対策になる理由
不動産の相続税における節税効果は非常に大きく、多くの方が不動産を活用した相続税対策をしています。
では、不動産がどうして相続税対策になるのかを学んでいきましょう。
相続税の基礎控除額は3,000万円+(600万円×法定相続人の数)と法定相続人の数で変動し、法定相続人の数が増えるほど基礎控除額も増えていきます。
課税遺産総額が基礎控除額を超える場合には、その分だけ相続税がかかるため課税遺産総額が大きいほど相続税額も大きくなるのです。
そこで資産の多い方は相続税を節税するために不動産などで相続税対策をします。不動産は財産としての評価が低いため、現金を不動産に変えると節税できる仕組みとなっています。
建物の評価額は「固定資産税評価額」、土地の評価額は基本的に市街地の場合が「路線価方式」、市街地以外は「倍率方式」で評価され、以下のように実勢価格よりも低い評価となります。
- 建物
- 【固定資産税評価額】一般的に建築費用の6割ほどで、建物がアパートやマンションなどの賃貸住宅ならば評価額はさらに3割ほど控除される。
- 土地
- 【路線価方式】一般的に実勢価格の8割ほどで、賃貸住宅が建った土地ならば評価額はさらに2割ほど控除される。
【倍率方式】一般的に実勢価格の7割ほどが評価額となる。
タワーマンション節税とは?
不動産は相続税対策になることが分かりましたが、よく耳にする「タワーマンション節税」は果たしてどれほど節税効果があるのでしょうか。
実は、タワーマンション節税の効果はかなり大きかったことから対策がとられ、今ではあまりやる意味がなくなってしまいました。
平成29年度の税制改正でタワーマンション節税への対策が取られる前、つまりタワーマンション節税が人気を博していた頃は以下のような仕組みとなっていました。
実は相続税評価額と実勢価格には開きがあり、タワーマンション高層階は節税効果が大きかったのです。
ポイントは以下の2点で、高層階ほど節税効果が大きくなる仕組みとなっていました。
- 住戸が多いタワーマンションは一戸あたりの土地の相続税評価額が低い
- 高層階と低層階の固定資産税評価額が同一であった
タワーマンション節税は高層階と低層階の固定資産税評価額が同じだったことが鍵となっていたのですが、2018年以降に引渡しが行われるタワーマンションは、高層階になるほど固定資産税が高くなりました。このようにタワーマンション節税への対策がとられたので、相続税対策での購入に陰りが出てきました。
タワーマンション節税にはリスクも…

節税目的とみなされたら否認される
節税効果があまりにも大きい場合などには、相続税対策でタワーマンションを購入したとみなされ、税務署に「否認」されるリスクがあります。
この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。
否認されると実勢価格で評価されることもあり、期待していた節税効果は得られません。
タワーマンション節税とみなされて否認された判例には以下のようなものがあります。
- 実勢価格と相続税評価額の開きがあまりにも大きい
- 相続をしてからすぐに物件を売却した
- 住居を目的に購入していない
- 相続の開始直前にタワーマンションを購入していた
もしタワーマンション節税をお考えでしたら、上記の点に十分注意してください。
新たな対策がとられる可能性
平成29年度の税制改正ではタワーマンション節税への対策として「タワーマンションにおける固定資産税の見直し」が行われましたが、今後もこういった対策がとられる可能性は非常に高いと予想されています。
今回は固定資産税に対しての見直しでしたが、タワーマンションの相続税評価額に関して新たな対策がとられれば、ますますタワーマンション節税の効果は薄れていくでしょう。
まとめ
以前は人気のあったタワーマンション節税ですが現在では節税効果が薄れてしまい、リスクもあることから相続税対策としてあまりお勧めできなくなりました。
今後新たな対策がとられる可能性も考えたら、タワーマンション節税にとらわれず他の相続税対策を検討して良いかもしれません。
とはいえ、不動産を活用した相続税対策は効果が大きいと言えます。戸建てやアパート、マンションの購入や賃貸経営といった相続税対策もぜひ検討してみてください。








