騒音を出す入居者を退去させることはできる?

賃貸経営をするうえで遭遇する入居者トラブルのうち、よくある「騒音トラブル」。
騒音と感じるかどうかは人それぞれ違うため、騒音トラブルは難しい問題です。
では、入居者から騒音の苦情が入った時、大家はどう対応すべきなのでしょうか?
今回は、大家さんの「騒音で迷惑をかける入居者を退去させることはできるのか?」といったお悩みにお答えしていきます。
今回のお悩み:騒音を出すという理由で契約解除はできるのか?
入居者の一人が深夜に騒音を出すといった苦情が相次ぎ、困っています。騒音で他の入居者に退去して欲しくないので、騒音が改善されなければ退去して貰いたいです。
騒音が理由で契約解除することは可能ですか?
騒音トラブルは、よくある入居者トラブルのひとつです。
あまりにも騒音が酷く、改善もされない場合はやり方によっては契約解除にもっていくことも可能です。
今回は騒音を出す入居者への対応についてご説明します。
ポイント①:まずは現状把握が重要
大家は賃貸人に対して「使用収益させる義務」があり(民法第601条)、入居者が平穏に暮らせる環境を提供しなければなりませんので、騒音や異臭などのトラブルが起きた際には対応しなければなりません。
ただ、今回のような騒音問題は人によって許容できる範囲が異なりますので、まずは複数の入居者に話を聞くことが必要です。
例えば、神経質な入居者1人が些細な生活音を騒音だとクレームを入れていたとしたら、問題はその入居者にあるでしょう。
反対に、何人もの入居者が騒音で頭を悩ませているのであれば、大家は「使用収益させる義務」を果たすべく、騒音問題を解決しなければなりません。
複数人の入居者が騒音被害に遭っていたら、騒音の確証を得るために騒音計で音量を測定したり、共用部分の防犯カメラで録画・録音したりすることが好ましいです。
平成10年に交付された環境庁の告示第64号(平成24年3月改正告示54号)によると、一般的には昼間の騒音は55デシベル以上、夜間は45デシベル以上とされています。
騒音計や防犯カメラ、複数人の入居者への聞き込みで騒音の実態が掴めたら、騒音を出す入居者へ注意します。
ポイント②繰り返し注意する
騒音を出す入居者へ注意して直ぐに騒音問題が解決すれば良いのですが、改善されない場合には繰り返し注意することが大切です。
繰り返し注意すると、後々入居者に退去してもらうことになった際に「大家は度重なる注意をしたにもかかわらず、入居者は騒音を改善しなかった」との事実から、大家からの賃貸借契約解除の条件である「信頼関係が破壊されていること」を満たせます。
注意をするなかで「このまま騒音が改善されないようであれば退去してもらいたい」といった旨を伝えておくことをオススメします。
また、本人が若く、注意しても騒音が改善されない場合には、保証人である親に相談することもあります。
契約解除を考えないにせよ、騒音が続くと他の入居者に迷惑がかかりますし、最悪の場合は他の入居者が退去してしまう事態にもなりますので、根気強く注意し続けましょう。
契約解除する方法
繰り返し注意しても騒音が改善されない場合には、前述した通り「信頼関係が破壊されている」とみなされ、法的にも契約解除できる可能性が高まります。
ただ、法的措置をとると時間や費用、労力がかかりますので、できれば任意退去してもらうのがベストです。話し合いをしても退去に応じてくれなければ、強制退去に踏み切りましょう。
まずは内容証明で契約解除通知を送付し、それでも入居者が自主的に出ていかなければ、訴訟提起します。明渡請求訴訟では、騒音計や防犯カメラなどの証拠や、大家が度重なる注意をしたのに改善がされなかった事実などを提示します。
訴訟で契約解除が認められたら、大家側は強制執行ができる権利を得られ、後日執行官が入居者の住む部屋にある荷物を全て運び出し、強制退去をさせます。
まとめ

今回は、音信不通になってしまった入居者への対応についてお答えしました。
騒音問題は人によって許容できる範囲が異なるため難しい問題ではありますが、放置していると賃貸経営に支障をきたすため然るべき対応をしなければなりません。
繰り返し注意をしても改善されなければ任意退去、任意退去にも応じてくれなければ強制退去という形をとりましょう。
トラブル解決には労力もお金もかかりますが、大家は入居者の平穏な生活のため動かなくてはならないのです。








