ワンルームマンション規制で、マンション経営はどうなる?

現物の不動産投資のなかでも挑戦しやすいワンルームマンションですが、自治体ごとに「ワンルームマンション規制」が定められている事をご存知でしょうか?
ワンルームマンションを購入してから「こんな規制があったなんて知らなかった」という事態に陥らないためには、自治体のワンルームマンション規制を事前に把握しておく事が大切です。
今回は、ワンルームマンション規制ができた背景や、ワンルームマンション規制が不動産投資に与える影響についてご説明していきます。
ワンルームマンション規制とは
ワンルームマンション規制とは、読んで字のごとく「ワンルームマンションに対する規制」に関して定めたもので、規制内容は自治体によって異なります。
ではここで、一般的なワンルームマンションの定義について確認しておきましょう。
ワンルームマンションとは
ワンルームマンションとは
不動産業界では1つの部屋にリビング、バスルーム、トイレ、キッチンを備えた部屋をワンルームと呼び、ワンルームで構成されたマンションのことをワンルームマンションとしています。
ワンルームの専有面積は20㎡前後の手狭なものが多いため、単身者向けの間取りとなっています。
一般的には上記のような部屋をワンルームと呼ぶのですが、実はワンルームマンション規制の対象となるワンルームの定義は「専有面積」となっています。
さらに言うと、自治体によってワンルームの定義は異なりますので、ご自身が所有する(または購入検討中の)物件と自治体が公表するワンルームの定義や規制内容を確認するようにしましょう。
例えば、東京都中央区、文京区などはワンルームの定義を専有面積40㎡未満の部屋としているため、これらの自治体では40㎡未満であれば1LDK、2LDKの物件でもワンルームとして扱われます。
規制の内容についても「マンション一棟におけるワンルームの割合に上限を設ける(一定割合でファミリー向けの部屋を設ける)」「ワンルームが一定数を超える場合、管理人室を設けなければならない」など、自治体によって様々です。
ワンルームマンション規制が誕生した背景
年々単身者層が増えているのにもかかわらず単身者向けのワンルームに対する規制が強化された背景には、2007年に施行された「税源移譲」があります。
簡単に説明すると、税源移譲とは所得税などの国税を減税し、住民税などの地方税を増税して国から地方へ税源を移すことです。税源移譲によって地方自治体の財源は主に消費税、法人税、住民税となりました。
税源移譲の実施前には単身者向けのワンルームマンションに対する規制はさほど強くありませんでしたが、税源移譲の実施後にはワンルームマンションに対する規制が次第に強化されていきました。
この理由は、ワンルームに住む学生や若い社会人などは住民税を支払わない事が多く、自治体が税源を確保できないためです。
地方自治体の財源として重要な住民税を確保するためには、単身者層よりもファミリー層に居付いて欲しい、というのが自治体の思うところでしょう。
自治体によるワンルームマンション規制は元々1980年代から行われていましたが、税源移譲を背景に2008年頃から単身者層よりもファミリー層の定着を増やし、住民税を確保する事を目的にワンルームマンション規制が強化されていったのです。
自治体ごとの規制
税源移譲が背景にあるワンルームマンション規制ですが、規制内容は自治体によって異なります。
多くの自治体ではワンルームマンションにファミリー向けの部屋を一定の割合で設定する条例を制定していますが、その他にも以下のような条例がある自治体も存在します。
豊島区は全世帯のうち単身世帯が約56%、住宅のうち30㎡未満の集合住宅が占める割合は約40%と、いずれも23区内で最も高くなっています。
そこで豊島区では「狭小住戸集合住宅税(ワンルームマンション税)」を設け、30㎡未満の住戸1戸につき50万円を課税する事を義務付けています。
(規制内容や課税免除、減免措置などの詳細は豊島区のホームページをご覧ください。)
大阪市は「大阪市ワンルーム形式集合建築物に関する指導要綱」及び「同施行基準」を定め、「住戸の専用面積が18 ㎡以上」「居室の天井の高さは、2.3m以上」「住戸数に応じて駐車施設、駐輪施設、管理人室を設置」などの規制をしています。
(規制内容や課税免除、減免措置などの詳細は大阪市のホームページをご覧ください。)
ワンルームマンション経営のこれから

晩婚化や未婚化の進展などを背景に単身世帯数は右肩上がりとなっているため、今後もワンルーム需要は途絶えません。
そして、各自治体の規制によってワンルームマンションは今後、需要に対して不足すると予想されています。需要が高まればワンルームマンション自体の価値が上がりますし、空室リスクや賃料下落リスクも低くなるでしょう。
「規制」と聞くと不動産投資にマイナスな影響を与えるイメージがありますが、このようにワンルームマンション規制は投資に活かせる条例にもなり得るのです。
これからワンルームマンション投資をお考えの方は、自治体の条例をきちんと理解し、将来を見据えて投資物件を選定しましょう。








