公開日:2019/12/14 最終更新日:2020/07/02

家賃収入があると年金が減らされる?

老後の生活のために定年退職せずに働き続けるという選択をする方もいらっしゃいますが、60歳以上になっても収入があると年金が減額される可能性がある事をご存知でしょうか?

こう聞くと60歳の定年を迎えても働く方の他、家賃収入がある方もヒヤッとする事でしょう。

老後に備えて不動産投資を始めても、家賃収入が原因で年金が減額されてしまっては本末転倒ですよね。
そこで今回は年金が減額されるケースや、家賃収入と年金の関係について解説していきます。

年金が減額されるケース

結論から言いますと、年金が減額もしくは年金の支給が停止されるケースは「在職老齢年金制度による減額」で、減額、支給停止の対象は厚生年金から支給される老齢厚生年金のみです。

簡単にご説明しますと、老齢厚生年金を受給できる60歳以上の方が60歳以降も定年退職せずに会社勤めを続けて(=厚生年金に加入して)一定の収入を超えた場合、老齢厚生年金が減額もしくは停止されてしまう、といった内容となっています。

さて、ここで「どれくらいの収入だと老齢厚生年金が減額されてしまうのか」が気になる部分かと思います。
老齢厚生年金が減額もしくは支給停止される対象はというと、65歳未満は年金月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円を超えた場合、65歳以上は年金月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を超えた場合です。

「年金月額」「総報酬月額相当額」とは

年金月額
1年間で受給する老齢厚生年金(厚生年金から支給される年金)を12で割った額。
総報酬月額相当額
標準報酬月額に直近1年間の賞与を12で割った額を足した額。
なお、標準報酬月額とは基本給や残業手当、通勤手当などを含めた給与(税引前の額)を一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて求めるものです。2019年12月現在、標準報酬月額は1等級から31等級までの幅で区分されています。
▼標準報酬月額の等級
等級 報酬月額(以上~未満) 標準報酬月額
1 ~93,000 88,000
2 93,000~101,000 98,000
3 101,000~107,000 104,000
4 107,000~114,000 110,000
5 114,000~122,000 118,000
6 122,000~130,000 126,000
7 130,000~138,000 134,000
8 138,000~146,000 142,000
9 146,000~155,000 150,000
10 155,000~165,000 160,000
11 165,000~175,000 170,000
12 175,000~185,000 180,000
13 185,000~195,000 190,000
14 195,000~210,000 200,000
15 210,000~230,000 220,000
16 230,000~250,000 240,000
17 250,000~270,000 260,000
18 270,000~290,000 280,000
19 290,000~310,000 300,000
20 310,000~330,000 320,000
21 330,000~350,000 340,000
22 350,000~370,000 360,000
23 370,000~395,000 380,000
24 395,000~425,000 410,000
25 425,000~455,000 440,000
26 455,000~485,000 470,000
27 485,000~515,000 500,000
28 515,000~545,000 530,000
29 545,000~575,000 560,000
30 575,000~605,000 590,000
31 605,000~ 620,000

このように受給する年金額や月収、賞与によって減額もしくは支給停止されるかが決まるのです。また、65歳未満と65歳以上では計算方法が異なる点に注意しましょう。

※在職中の年金に関する詳細は日本年金機構のホームページをご覧ください。

家賃収入がある場合は?

先ほど老齢厚生年金が減額(もしくは支給停止)されるケースは、60歳以降に厚生年金に加入しながら働いている方とご説明しました。

したがって会社勤めで厚生年金に加入して収入を得るわけではない「家賃収入」は、年金を減額される対象にならないのです。
極端な話ですが、たとえ家賃収入が年間で1億円あったとしても年金の支給額は変わりません。

ただ、年金の減額対象とならないからといって家賃収入をそっくりそのまま受け取れるわけではありません。当然のことながら、家賃収入にかかる税金や不動産の所有に関する税金などを納めなくてはならない点に注意しましょう。

個人で家賃収入がある方は所得税と住民税を納めなければならず、法人化して家賃収入を得ている方は法人税、法人事業税、法人住民税を納めなければなりません。
不動産所得を確定申告する際には必要経費を差し引いた金額を申告するため、不動産投資をしている方は計上できる経費をしっかりと理解しておくことが大切です。

老後に家賃収入があるメリット

公的年金の不足分を補える

老後の生活には公的年金に加えて2,000万円が必要になる、という内容の報告書を金融庁が公表して話題となった「老後2,000万円問題」からも分かる通り、老後に国から受け取る公的年金だけで暮らしていく事はほぼ不可能と言われています。それに加え、日本の公的年金の仕組みは現役世代が納める保険料を年金受給者の給付に充てる「賦課(ふか)方式」をとっていることから、年金給付額が減額される可能性もあります。
すると、老後豊かに暮らすにはますます年金の不足分が増えることになります。

こういった年金制度の将来性を見据えて私達は老後の資金を蓄えておく必要があるのですが、それに役立つのが家賃収入です。

賃貸経営に定年はありませんので、不動産を所有している限り一生家賃収入を得られます。身体の衰えで賃貸経営は難しくなると考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、賃貸経営すべてを大家自身が行う必要はありません。ほとんどの大家は管理会社へ依頼して賃貸経営をしていますし、サブリースを活用して収入を得る事も可能です。

不労所得を得られる

上記でも少しご説明しましたが、賃貸経営の魅力は大家自身が働かなくても家賃収入が入ってくること、すなわち不労所得を得られることです。

老後は若い頃に比べて病気のリスクが高まり、身体も衰えてくるため労働収入を得るのにも苦労することでしょう。

けれど管理会社やサブリースなどを上手に活用しながら賃貸経営をすれば、あくせくと働かなくても毎月安定した家賃収入を期待できます。

インフレ対策に有効

インフレになると物価が上昇し、貨幣価値は下がります。不動産もモノですので、インフレになると不動産価格、賃料ともに上昇する傾向にあるのです。
このように、不動産投資には現金をそのまま持っているだけでは享受できないメリットもある事がお分かりかと思います。

先ほどご紹介した2つのメリットに加え、現金を不動産に替えておけばインフレ対策をしながら資産運用することができる事からも現物不動産への投資は老後の備えとして根強い人気を誇ります。

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