不動産の重要事項説明書のチェックポイント

売買契約を結ぶ前に行われる重要事項説明書には、これから賃貸経営をするオーナーにとって大変重要な情報が記載されています。
内容は専門的なため難しい部分がありますが、きちんと確認できるようにしておきましょう。
重要事項説明書の内容
宅地建物取引業法では「不動産の売買契約を締結するまでに、宅地建物取引業者は買主に対して契約に関する重要事項を説明しなければならない」と定めています。
重要事項説明書の内容は大きく分けて「物件に関する重要事項説明」「売買契約そのものに関する重要事項説明」の2つです。
重要事項説明書には専門的な用語が多く記載されているため、分からない部分については宅地建物取引士に確認し、内容を全て理解してから不動産の購入を検討しましょう。
- 登記上の権利関係
- 私道負担に関する事項
- 工事完了時の形状・構造など
- 法令上の制限
- 水道・電気・ガスの供給
- 代金等以外に授受される金銭の額・目的
- 損害賠償額の予定・違約金に関する事項
- 支払い金等の保全措置の有無など
- 瑕疵担保責任の履行に関する事項
- 契約の解除に関する事項
- 手付金などの保全措置
- ローンの斡旋の有無など
- その他国土交通省令・内閣府令で定める事項など
7つのチェックポイント
①登記上の権利関係
土地や建物に登記されている権利の種類(所有権など)と、その内容が記載されています。
ここでは、「不動産が共有になっていないか」「抵当権が設定されているか」がチェックポイントとなります。
不動産が共有となっていた場合、買主は物件の所有者全員と契約しなければ物件の所有権を取得する事ができません。
また不動産に抵当権が設定されている場合には、きちんと抵当権抹消が行われるかを確認しておくことが重要です。抵当権付きの不動産を売買すること自体は法律的に問題ないのですが、もし売主がローン返済を滞らせたら金融機関が不動産を競売にかけて所有権がなくなるリスクがあります。一般的には残金決済のタイミングで抵当権を抹消してもらうので、残金決済時に必ず抵当権抹消が行われるのか聞いておきましょう。
②法令上の制限
物件によっては都市計画法や建築基準法などの法令に基づき、建物の建て替えや用途に制限がかかることがあります。以下の法令に基づく制限があるかどうかを確認しましょう。
都市計画法では、原則として建物を建てることができない「市街化調整区域」を定めています。市街化調整区域内に不動産があれば、今後建て替えができない可能性があるため注意が必要です。
都市計画道路予定地とは、都市計画法で定められた「都市計画の一環として道路整備が予定されている土地」です。都市計画道路予定地では建築に様々な制限があり、建て替えや増築ができないケースもあります。
市街化区域における用途地域や防火地域、準防火地域、景観地区などでは建物を建てる際に制限が定められていることがあります。
既存不適格建築物とは「建物の建築時には適法だったものの、それ以降の法改正によって不適法になってしまった建築物」のことです。
既存不適格建築物を建て替える場合には現在の法律が適用されるため、建築に制限がかかります。
③私道負担の有無
私道負担とは個人が所有する土地を道路(私道)として提供することで、道路の維持管理にかかる費用を負担しなければいけない等のケースがあります。
私道は分割所有や共有している場合もありますので、権利関係や維持管理のための負担金について確認しておく必要があります。
④飲用水やガス・電気の供給施設や排水施設の整備状況
飲用水やガス、電気の供給施設や排水施設の整備状況、将来整備される計画がある際の負担金について確認しておきましょう。
電気やガス、飲用水などは人々の生活に必要不可欠なため、不備があれば早急に対処しなければなりません。
⑤管理費の滞納について
売主が管理費を滞納したままの物件を引き継ぐと、滞納した管理費は買主が支払うことになってしまいます。物件の引渡し前に滞納している管理費を支払ってもらうようにしましょう。
⑥代金や交換差金以外に授受される金額
売主が既に不動産の固定資産税や都市計画税、修繕積立金などを支払っている場合、買主はそれらの費用を日割り計算で売主へ支払わなければなりません。
手付金や固定資産税、管理費・修繕積立金、賃料などの清算金を把握しておきましょう。
⑦契約の解除に関する事項
売買契約がスムーズに結ばれると思っても、売主や買主の都合で契約解除に至る可能性を考えておかねばなりません。
どのようなケースで解除になるのか、いつまでに手続きをすれば良いのか、解除によって発生する費用などを確認します。
まとめ

専門用語がズラリと記載されている重要事項説明書はついつい流し読みしてしまいがちですが、オーナーとして見落としてはいけない情報がたくさん盛り込まれています。
物件の良し悪しを判断するには、重要事項説明書にどのようなことが書かれているのかを理解しておかなければなりません。
今後はビデオ通話を活用して重要事項説明を行う「IT重説」も進んでいきますので、買主が重要事項説明書の内容をきちんと理解しておけば遠方でもスムーズに説明が受けられることでしょう。








