公開日:2020/02/28 最終更新日:2020/05/11

一括償却とは?仕組みやメリットを解説します!

パソコンや車、ソフトウェアなどの資産をお持ちの方は減価償却をするのですが、「一括償却」という減価償却の方法があることをご存知でしょうか?
通常の減価償却よりも一括償却の方が良いケースもあるため、事業者はぜひ知っておきたい方法です。

今回は一括償却の仕組みやメリット、「一括償却」と混同しやすい「少額減価償却資産」との違いを確認していきましょう。

一括償却とは

一括償却とは、取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産を3年間で均等償却する方法のことです。ちなみに、一括償却した資産のことを「一括償却資産」と言います。

減価償却資産とは事業に用いられる資産で、時間が経つにつれて価値が減っていくものを指します。代表的な減価償却資産には、車やエアコン、パソコンなどがあります。一括償却できるのは取得額が10万円以上20万円未満のものになりますので、これらのなかでしたらパソコンとエアコンが一括償却可能となるでしょう。

例えば、事業で使うために15万円のパソコンを3台購入した場合、
15万円×3=45万円
となりますので、45万円を3年間で償却することになります。
45万円を3年間で均等に償却しますので、1年間の償却費は45万円×1/3=15万円になります。

上記が基本的な一括償却の仕方ですが、「取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産は全て一括償却しなければいけない」というわけではありません。
通常の減価償却を行うこともできますし、次でご紹介する少額減価償却資産の特例を適用することも可能です。

少額減価償却資産の特例との違い

一括償却資産と混同しやすいのが、少額減価償却資産の特例です。
少額減価償却資産の特例は、青色申告書を提出する中小企業等が取得した取得価額30万円未満の減価償却資産を、使用した年に全額経費計上できる内容となっています。

少額減価償却資産の特例は一事業年度につき300万円を限度に受けられ、2022年3月31日までに取得したものが対象です。(※2020年2月現在での情報です。)

少額減価償却資産の特例には適用要件がある点や、経費計上した資産を償却資産税の申告に含める点などが一括償却資産と異なります。

少額減価償却資産の特例の適用要件

中小企業等である
少額減価償却資産の特例は、中小企業や個人事業主が受けられることです。ここで言う中小企業とは資本金が1億円以下で、常時使用する従業員数が500人以下の企業※を指します。

※従来は1,000人以下の企業を中小企業として扱っていましたが、令和2年度税制改正大綱で従業員数の要件が500人以下に引き下げられました。

青色申告書を提出している
少額減価償却資産の特例を受けるには、白色申告ではなく青色申告をしなければなりません。
※上記は2020年2月現在の適用要件です。

一括償却を適用するメリット

償却資産税の申告の対象にならない

償却資産が150万円未満の場合は免税となりますが(※申告は必要)、150万円以上の減価償却資産を持っている方は、課税標準額(1,000円未満切捨て)×税率(原則として1.4%)で算出した償却資産税を納めなければなりません。

課税標準額の対象になるのは通常の減価償却資産と少額減価償却資産となっていて、一括償却資産は課税標準額の対象になりません。

したがって、償却資産が150万円以上ある場合には一括償却した方が節税できる可能性が高くなります。

早期の経費計上で節税が可能に

減価償却資産には、その資産が使用できる年数「耐用年数」があります。例えばパソコン(サーバー用のものを除く)の耐用年数は4年となっています。

事業で使うために15万円のパソコンを1台購入した場合、通常の減価償却ですと年間37,500円までしか償却することができません。また、減価償却資産を取得した年は事業用に使用した期間分しか償却することができません。

一方、一括償却した場合ですと15万円を3年間で均等償却するため、年間で5万円を償却できるようになります。このように、一括償却を活用すると経費を早めに計上して節税することができるのです。

※償却資産の評価に用いる耐用年数については国税庁が公表していますので、詳しくはこちらをご覧ください。

計算や手続きが楽

通常の減価償却ですと、減価償却資産を事業用に取得した年の減価償却費を算出するために複雑な計算をしなくてはいけません。また、「定額法」や「定率法」といった償却方法があり、その仕組みを理解するのも大変ですし、会計処理にも手間がかかります。

それと比べたら、一括償却は減価償却資産を事業用に取得した年から取得額の1/3を経費計上できるため、簡単に償却することが可能です。
また、白色申告でも一括償却できるなど手続きに手間がかからない魅力もあります。

まとめ

今回は一括償却の仕組みやメリットを解説しました。
減価償却の方法には様々なものがあり、経費に計上できる金額もそれぞれ異なります。しっかりと特徴を理解し、ご自身に合った方法で減価償却できるようにしましょう。

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