公開日:2019/10/16 最終更新日:2019/10/31

不動産の瑕疵担保責任について紹介します

不動産の引渡し時には建物に欠陥がないように見えても、後々何らかの欠陥が発見される事があります。一見問題がないように見えても、建物は売主・買主ともに気が付かない欠陥(瑕疵)を抱えている事があるのです。

瑕疵が発見された場合、売主はその瑕疵に対して「瑕疵担保責任」を負わなければならないため、物件売却時には契約書に瑕疵担保責任に関して記載しておくことが大切です。

今回は瑕疵担保責任に不安を抱える売主様向けに、瑕疵担保責任の内容や売買契約時に注意すべき事について説明していきます。

瑕疵担保責任とは

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、不動産の売買契約時に売主・買主ともに気が付かなかった物件の欠陥(瑕疵)に対して売主が責任を負わなければならない事を言います。
買主は瑕疵を発見した場合、売主に対して契約の解除や、損害賠償請求をする事ができるのです。

ただし、瑕疵担保責任は売主・買主ともに気が付かなかった瑕疵に対して責任を負うものですので、売買契約時に売主が買主に説明した瑕疵は対象となりません。

売買契約時に売主が買主に対して物件の瑕疵を伝えていた場合、買主は瑕疵がある事を理解したうえで購入していますので、その瑕疵があったからという理由で契約の解除や損害賠償請求をする事はできなくなります。

売買契約時に気が付きにくい「隠れた瑕疵」には以下のようなものがあります。

  • 雨漏り
  • 土壌汚染
  • 地中埋設物
  • シロアリの被害
  • 給排水設備の故障
  • 自殺などの心理的瑕疵
  • 柱や梁など、建物の主要部分の欠陥

こういった瑕疵は売主も買主も気が付かない事が多いので瑕疵担保責任を完全に回避する事はできませんが、後々トラブルにならないためには、売主が把握する瑕疵は全て買主に告知する事が重要です。なお、設備故障などの経年劣化は瑕疵とは異なりますので、売主が経年劣化による不備に責任を負う必要はありません。

瑕疵担保責任の期間

民法では、買主が売主に瑕疵担保責任を追及できる期間は「買主が瑕疵を発見した日から1年以内」と定めています。

民法に従うと、売買契約を締結してから数十年経過していても買主が瑕疵を発見したら売主が瑕疵担保責任を負う事になります。しかし、それだと売主の負担が大きいため、売主・買主の合意のもと責任を負う期間を決める場合が多いようです。
民法の大部分は、当事者の合意(特約)によって内容を変更できる「任意規定」となっているのです。

個人が売主の場合、瑕疵担保責任を負わない契約としたり、瑕疵担保責任を負う場合でも、期間を「物件の引渡日から2~3ヶ月」にすることが一般的です。

ちなみに、宅地建物取引業者が売主の場合は、宅建業法で、売主が瑕疵担保責任を負わない特約や、瑕疵担保責任の期間を物件の引渡日から2年未満で定める特約は無効とされている為、「物件の引渡日から2年」とすることがほとんどです。
また、新築住宅の場合は、品確法により売主が住宅の基本構造部分について引渡日から10年間瑕疵担保責任を負わなければならないと定められています。

瑕疵担保責任の範囲

冒頭でご紹介した通り、建物の瑕疵は様々です。民法では瑕疵担保責任の範囲についての記載はありませんので、それを良い事に細かい部分を瑕疵だと訴えて請求してくる悪質な買主も存在します。

したがって瑕疵担保責任の期間と同様に、売買契約時に特約で瑕疵担保責任の範囲を記載しておくと良いでしょう。

一般的に瑕疵担保責任を負う契約の場合、「雨漏り」「シロアリ被害」「建物の主要部分の欠陥」「給排水設備の故障」の範囲で責任を負う、と特約で定めていることが多いようです。

売買契約を結ぶ際には、これら瑕疵担保責任の期間と範囲に注意するようにしましょう。

瑕疵担保責任から「契約不適合責任」へ

2020年4月1日より施行される改正民法では、現行の瑕疵担保責任に関する規定が削除され、新たに「契約不適合責任」が定められます。

瑕疵担保責任から契約不適合責任になると、「契約の内容に適合しないもの」に対して買主は契約の解除、損害賠償請求に加えて追完請求、代金の減額請求ができるようになります。

改正民法によって売主が責任を負う範囲が広がるため、場合によっては経年劣化も責任を負う対象になる事が予想されます。
契約不適合責任は新しい概念であることから、売主はその内容をしっかりと理解して対応していく必要があります。

改正民法が施行されてから暫くの間は、売主が負う責任の範囲を巡るトラブルが増える事が予想できます。不動産売却後のトラブルを未然に防ぐためには不動産投資のプロと相談しながら物件売却を進めていくのがベストでしょう。

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