公開日:2019/10/16 最終更新日:2019/10/24

不動産もクーリングオフできる!適用できるケース、適用外のケースを紹介します

クーリングオフとは

電話販売やマルチ商法、訪問販売などは相手方の営業や勧誘が強いことがあり、消費者はよく考える事ができずに契約してしまうケースもあります。クーリングオフの由来は英語の「cooling off」で、「頭を冷やす」といった意味を持ちます。冷静に考えられずに締結した契約に関しては、クーリングオフ制度が消費者を守ってくれるのです。

クーリングオフは1度契約を交わした場合でも一定の期間であれば無条件に契約を解除できる制度ですが、全ての契約にクーリングオフが使えるわけではありません。

クーリングオフができる契約については特定商取引法や保険業法、宅地建物取引業法、不動産特定共同事業法などに規定されています。

クーリングオフの代表格とも言える特定商取引法では、クーリングオフについて以下のように定めています。

▼(例)特定商取引法に規定されているクーリングオフができる取引・できない取引

クーリングオフができる取引

  • 訪問販売
  • 電話勧誘販売
  • 連鎖販売取引(マルチ商法)
  • 特定継続的役務提供契約(エステ、美容医療、学習塾、パソコン教室など)
クーリングオフができない取引

  • 通信販売
  • 事業者間での取引
  • 店舗や営業所での取引
  • クーリングオフ期間を過ぎた契約
  • 不動産投資におけるクーリングオフ

    不動産取引に関しては宅建業法(宅地建物取引業法)でクーリングオフ制度が定められていますので、適用要件を満たしていれば一定期間内で契約を解除する事ができます。

    宅建業法で定められているクーリングオフ制度は以下の通りとなっています。少し難しく記載されていますので、次で分かりやすく解説していきます。

    宅地建物取引業法 第37条の2

    宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令・内閣府令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
    一 買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)が、国土交通省令・内閣府令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して八日を経過したとき。
    二 申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。

    引用:e-Gov

    クーリングオフの適用要件

    1.不動産の売買契約であること

    クーリングオフの対象となる取引は土地や建物など、不動産の「売買」のみです。「賃貸」はクーリングオフの適用対象外となります。(ただし、賃貸の場合でも契約が成立する前に申込をキャンセルする事は可能です。)

    2. 売主が宅地建物取引業者であること

    売主が宅地建物取引業者であることがクーリングオフの適用要件になります。売主が宅地建物取引業者ではない個人であったり、買主が宅地建物取引業者であったりするとクーリングオフ制度は適用されません。

    3.宅地建物取引業者の事務所など以外での申込か契約であること

    不動産取引のクーリングオフは、「どこで」申込、契約をしたかが鍵となります。
    クーリングオフが適用されるのは宅地建物取引業者の事務所など以外の場所で申込、もしくは契約した場合に限ります。宅地建物取引業者の店舗や営業所、モデルルームなどで交わした契約は、買主にはっきりとした購入意思があったものとみなされるため、クーリングオフの適用対象外となってしまうのです。

    ここで言う「事務所など以外」とは、カフェやファミリーレストランなどの飲食店、買主の自宅や勤務先などを指します。

    4.物件の引渡し、または代金の支払いをしていないこと

    物件の引渡し、または代金全額を支払っていなければクーリングオフの適用要件です。
    代金を全額支払って物件の引渡しを受けた場合にはクーリングオフの適用対象外になりますが、物件の引渡しを受けていても手付金だけを支払っている場合にはクーリングオフの適用対象となります。

    5.クーリングオフについて書面で告知された日から起算して8日以内であること

    クーリングオフができる期間は契約の種類によって決まっていて、不動産の売買契約においては「クーリングオフできる旨及びその方法を書面で告知された日から起算して8日以内」となっています。

    申込日や契約締結日からの起算ではないため、クーリングオフが適用される期限をしっかりと把握しておきましょう。
    稀に、書面による告知がない場合がありますが、その際は買主が8日以内の制限を受ける事はありません。

    注意!クーリングオフが適用外となるケース

    • 宅地建物取引業者の事務所やモデルルームなどで申込もしくは契約した場合
    • 宅地建物取引業者の事務所やモデルルームなどで購入の意思表示をし、後日事務所など以外の場所で契約を交わした場合
    • 申込や契約の場所を自宅や勤務先、カフェなどと買主が指定した場合

    クーリングオフのやり方

    クーリングオフは、クーリングオフできる旨及びその方法を書面で告知された日から起算して8日以内に書面で行わなくてはいけません。

    書面という取り決めなのでハガキでも良いのですが、宅地建物取引業者に「クーリングオフに関するハガキは受け取っていない」と言われるなど後々トラブルが生じる可能性もあります。

    きちんと書面でクーリングオフを行った証拠を残すために、クーリングオフは内容証明郵便で行うのが一般的です。

    まとめ

    不動産売買契約にはクーリングオフ制度が使えますが、細かな適用要件があるためクーリングオフを利用できないケースが多い事が現実です。

    投資物件の購入をお考えの方はクーリングオフをあてにするのではなく、「クーリングオフしないような優良物件を購入する」意識を持ちましょう。

    そのためには不動産投資に関する知識をしっかりと蓄え、投資物件を見極める目を養う事が重要です。

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