不動産投資ローンを繰り上げ返済するメリット・デメリット

不動産投資ローンを組むと、賃貸経営をしながら長期間にわたってローンを返済し続けることになります。
金融機関から融資を受けているのですから利息をつけて返済しなければなりませんが、不動産投資ローンの利息は大きいため何とかして利息を軽減したいものですよね。
今回は不動産投資ローンの利息部分を軽減できる「繰り上げ返済」の仕組みとメリット・デメリットを確認していきましょう。
不動産投資ローンの繰り上げ返済とは
繰り上げ返済とは毎月の返済とは別に、任意で元金の一部もしくは全部を返済することです。ローン返済は元金に利息をつけて返済しなければならないため、毎月の返済では元金部分と利息部分の両方を返済していることになります。
繰り上げ返済はすべて元金の返済に充てられるため、その元金にかかる利息部分を支払わなくて良いことになります。
つまり、繰り上げ返済をすると利息部分が軽減されるため、総返済額が減少するのです。
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2タイプがあり、それぞれに特徴があります。繰り上げ返済をする際には2タイプのメリット・デメリット、そして総返済額を比較してご自身に合った方を選びましょう。
期間短縮型
期間短縮型は毎月の返済額は変わらず、返済期間が短くなる返済方法です。
返済期間が短くなるため、短縮された期間の利息が軽減されることになります。繰り上げ返済をする時期が早いほど利息軽減効果が大きくなります。
返済額軽減型
返済額軽減型は毎月の返済額が少なくなり、返済期間は変わらない返済方法です。
同額の繰り上げ返済をした場合、期間短縮型よりも利息軽減効果は低いですが、毎月の返済額が少なくなるため財政状態を安定させることができます。
なお、金融機関によっては返済額軽減型での繰り上げ返済ができないことがあるので、事前に確認しておくことが大切です。
| 繰り上げ返済しない場合 | 期間短縮型 | 返済額軽減型 | |
|---|---|---|---|
| 毎月返済額 | 91,855円 | 91,855円 | 81,993 円 |
| 残りの返済期間 | 32年 | 27年9ヶ月 | 32年 |
| 利息軽減額 | – | 1,690,848 円 | 777,010 円 |
(「知るぽると:金融広報中央委員会」のシミュレーション結果)
繰り上げ返済のメリット
総返済額が減る
繰り上げ返済の最大のメリットは総返済額が減ることです。期間短縮型と返済額軽減型のどちらを選んでも、繰り上げ返済をすると利息が軽減できるため総返済額は減少します。繰り上げ返済のタイプや金額、タイミングによって利息軽減効果は異なりますが、場合によっては総返済額を大幅に減らすことも可能です。
同時期に同額の繰り上げ返済をした場合、返済額軽減型よりも期間短縮型の方が総返済額を軽減できます。
家賃収入の手取りが増える
ローンを利用して収益物件を購入した方は、毎月の家賃収入をローンの返済に充てることになります。繰り上げ返済をすると返済額が減るので、家賃収入の手取りが増えることになります。
期間短縮型で繰り上げ返済をすると本来よりも早くローン返済が終わるため、家賃収入をそっくりそのまま受け取れる期間が増えます。
一方、返済額軽減型で繰り上げ返済をすると毎月の返済額が減るため、毎月の手取りが増えて安定した賃貸経営がしやすくなります。
繰り上げ返済のデメリット
手元の自己資金が減る
繰り上げ返済は毎月の返済とは別に元金の一部もしくは全部を返済する仕組みとなっているため、手元の自己資金を返済に充てることとなります。
手元の自己資金が減ってしまうと、新たに物件を購入する時に融資を受けにくくなる可能性があります。
物件を購入する予定がなくとも、何が起きるか分からない賃貸経営では予期せぬ出費が発生することもあります。その時に自己資金がなければ、健全な賃貸経営ができなくなるでしょう。
不動産投資ローンを繰り上げ返済するのであれば、その後の不動産投資に支障がでない金額で繰り上げ返済することが大切です。
経費計上が減る
不動産所得は<総収入金額-必要経営>で算出でき、ローンの利息をはじめ減価償却費や管理費・修繕積立金などを経費として計上することができます。
ローンの利息に関しては返済時の利息のみを経費計上することができ、元金返済部分は経費計上することはできません。
したがって、繰り上げ返済をすると金利負担が軽くなるため、経費計上が減ることになります。
繰り上げ返済には手数料がかかる場合も
繰り上げ返済をすると手数料がかかる場合があり、その金額は金融機関や繰り上げ返済する金額、手続き方法などによって異なります。
例えばネット経由での手続きは無料、窓口や電話で手続きをした場合には33,000円の手数料がかかるメガバンクもあれば、ネット経由や窓口、電話での手続きに手数料がかからないネット銀行もあります。
このように都市銀行やネット銀行はネット経由で繰り上げ返済の手続きをすると手数料がかからないことが多いのですが、一部の地方銀行や信用金庫など窓口での手続きしかできない場合は5,000円~30,000円ほどの手数料がかかります。
金融機関によっては繰り上げ返済のタイプや繰り上げ返済の受付下限額が決まっている場合がありますので、そちらも併せて確認しておくと良いでしょう。
まとめ

不動産投資ローンを返済していくなかで自己資金に余裕があれば、繰り上げ返済を有効活用していきましょう。
繰り上げ返済にはデメリットもありますが、総返済額を減らせるメリットは非常に大きいです。
ただ、繰り上げ返済をするタイミングやタイプ、金額が適切でなければ繰り上げ返済をフル活用できないケースもあります。
繰り上げ返済はやや難しい部分がありますので、自分で試算してみても何が最適か分からないこともあります。
「期間短縮型と返済額軽減型、どちらが自分には向いているのか?」
「どのタイミングで繰り上げ返済するのが良いか分からない…」
「どれくらい繰り上げ返済しても大丈夫か?」
といった悩みを抱える方は担当の不動産会社や金融機関に相談し、損することなく繰り上げ返済しましょう。








